野球への情熱と、痛みとの戦い

今村龍之介選手がご来院されました。

診断はぎっくり腰でしたが、
他の整骨院にて「反り腰と猫背による腰痛」との診断をされ、
既にバキバキの矯正治療もされている状態でいらっしゃいました。
ですが治療内容や説明に納得がいかず、
お母様のご紹介で当院にご来院されることになりました。

当院にて、腸腰筋を緩めることを意識し、
コンビネーションを当てさせていただいたところ
1ヶ月で痛みを改善することができました。

そして痛みが取れた日から、腰にハイボルトを当てて
インナーマッスルを鍛える運動を開始しました。

「腰の痛みを減らしたいなら、まずはインナーマッスルから」
とお伝えし、身体の土台であるインナーマッスルを
重点的に鍛えていただくよう指導させていただきました。

これまでも今村選手は、ジムなどで身体を鍛えられていました。
しかしながら、アウターマッスルばかりを重点的につけてしまっていたのです。
アウターマッスルばかりが頑張ってしまうと、身体が疲れやすくなります。
また、怪我や痛みの原因にもつながることがあります。

もちろん、アウターマッスルも必要です。
ただ、どれだけ骨組みの良いものを作り上げても、土台がなければ崩れてしまいます。
そしてアウターマッスルは鍛えればつきやすい筋肉である反面、
何もしなければ落ちやすく、持続的な働きはしないのも特徴です。

痛みを減らすためのインナーマッスルの重要性をお伝えしたところ
こちらが目を見張るほどに、誰よりも真面目に努力をされ
運動に取り組まれていた今村選手を目の当たりにし、
「彼は絶対に良くなる」と確信しました。

その後、10キロほどのウォーキングもこなせるようになった彼は、
時々整骨院の前も通り、こちらに向かって元気に手を振ってくれました。

そうして、ドラフトの季節がやってきます。
ここまで身体が仕上がった今村選手ですから、
必ず呼ばれて欲しいと願っていましたが
テレビやネットを見ても、今村投手の名前はありませんでした。

「どうして！？こんなに仕上がっているのに！！
スカウトの皆さんに教えてあげたい・・・」という気持ちが、
胸いっぱいにこみ上がったことを覚えています。

次にご来院された際、彼の気持ちは切り替わっていました。

そして、こう語ってくれました。
「一度だけ、野球をやめようとしたことがあった。
何のために野球をやっているのか分からなくなり、初めて野球を嫌いになった」と。
それでも乗り越えて、改めて野球と向き合う決意を固めた彼の、
真剣なまなざしは忘れることができません。

その後、今村選手の徳島インディゴソックスへの入団が決まりました！
徳島インディゴソックスは、過去11年連続計26名のNPB選手を輩出しており
先月のドラフト会議では6名の同時指名という新記録を叩き出した「最強の育成球団」です。
そんな球団への入団が決まり、当院一同も一安心しました。

徳島に飛び立つ日、
「先生に身体のことを全て聞いてやろうという気持ちで来ました！」とお越しになられ
診察室で1時間ほど質問攻めをされていました。
「このご時世に、こんな熱い人がいるのだな」と、
先生も感激していたほどです。

こはく整骨院に通うお年寄りにも誰にでも、一人一人挨拶をしてくれる今村選手。
そんな最高の人柄と、誰よりも熱い野球への情熱がある彼は
次のドラフトでは必ず呼ばれること間違いなしの選手だと思います。

どうか怪我だけは気を付けて頑張ってください。
当院でも、ずっと応援しています！

スタッフ 野田まき